第2章 捜査開始
リヴァイさんのねむる時間と目覚める時間、途中途中で寝落ちるタイミングとその瞬間、それらを全て小さなノートに私はつけ始めた。
リヴァイさんが何をしている?
と覗き込もうとするのを避け、避けようとするから強引に抱きしめられながらも、私は丁寧にノートに記していく。
それらを棒グラフに書き直しながらそれを見詰める。
それが日課になった。
リヴァイさんの眠る時間は傍目には分からないが、それでもじわりじわりと増えてきている。
日中の一瞬飛んだ意識も、それが数秒に、そして分を刻むように長くなっている。
当人は、「眠っても眠っても物足りなくてな」と言い、「起きている間にやらないといけない事がいっぱいあるな・・・」
と見せまいとした不安を滲ませる私を安堵させるように微笑む。
この事実を告げるべきか否か、いやでも自分自身で気付いているのだろうか。
ぐるりと巡る思考は結局答えを得ることはない。
私の眉間の皺に笑い、脣と舌でほぐそうとしてくれるリヴァイさんにキスを仕掛け、誤魔化すようにベッドへなだれ込んだのはそう少なくはない。
『誤魔化しきれなくなるギリギリまで見て見ぬ振りをして、だがそれでもどうにもならなくなったらこの状態を告げよう。
私はそれまでにどうにか原因や症例を・・・少しでも見つけておくから』
そう告げたハンジさんとの約束もすでに一月が経っている。
リヴァイさんは相変わらず眠り、そして目覚める。
私はその時間を管理し、眠りすぎないように中視し、その裏で私の心は悲鳴をあげそうになっていた。