第1章 異変
「・・・・・・」
「・・・時々このまま起きなくなるのではと不安になるのです」
子供のような寝顔だ。
幼さの溢れるその表情は、全ての彼に負わされた責務から逃れ、無防備な状況なのだと言うことを表している。
「昨日は?」
「寧ろ今日ですね。書類捌きながら一瞬で寝ました。浅い内に起こしたのですぐに目覚めてくれまそたが、あのままにしていたら・・・きっと今の状態でしょう」
言葉にするとその異常さに気付くものもある。
昨夜セックスを終え、互いに慈しみ合うように唇を重ねていた時、ずしりと唐突にこの体は重くなった。
問い掛けても応えず、そして聞こえてくる寝息。
もう寝たのかと思い、達した後も含まされたままであった彼の陰茎から逃れた私は、彼の眠りを妨げぬよう、立つ音を気にしながら隣室のバスタブへ向かう。
中に出されたものを取り出さないと、辛くなるのは自分だ。
本当はあのままベッドに寝転びぐずぐずと闇の中に落ちるように眠り、溶け合ってしまいたかった。
リヴァイさんの匂いに包まれ、リヴァイさんの温もりを感じていたかったが、現実そうもいくはずはない。
リヴァイさんのシャツを肩に羽織ったまま隣室へ向かった私は、つぅと中から垂れた男の痕跡に歯を食いしばり、やがてその爛れた熱を洗い流しこんだ。