第1章 異変
「・・・・・・」
「最近、眠座も取りに来ないんだよね。前なんか繁盛に取りに来てたからけっこういい材料だったのに」
ちょっと待ってください・・・
そう言いたくなるのを堪え、私はベッドへ腰を下ろす。
ジャケットを脱ぎ、襟元のボタンを外す。
緩められ、隠されていた肌があらわになると、そこにはリヴァイさんの所有の証がくっきりと刻まれているだろう。
ハンジさんの視線が一瞬向けられるも、興味のない雰囲気のまま外され、ほっと吐息を零す。
リヴァイさんの腕を撫でながらハンジさんの宣告を待つ私は、受け入れがたい現実を突きつけられる覚悟をした。
「こうやって途中で意識を飛ばすことなんて、前じゃなかったことだ」
「・・・はい、そうですね」
「・・・普段の様子は?」
「・・・変わりはありません。でも・・・」
「でも?」
「突然寝落ちる回数が、増えています。そのまま朝まで目覚めないこともあります」
「・・・・・・え。それって君の中につっこ・・・」
「ハンジさん!!」
突然何を言い出すの?
慌てた私にハンジさんは目を細めて笑っているが、その表情よりも彼女の視線が早く吐けと言っているような気がして仕方がない。
情報を聞き出せるものならば何だってする、そんな人間の目だった。