第6章 ラッキースケベ
~エースver~
今日はオンボロ寮にエース達が泊りに来ております。オールで映画を見ようということで集まったわけだけど、今デュースとグリム達はお菓子の買い出しで外に出ている。暇だし先にいつ寝落ちしてもいいようにシャワーに入っとこうと準備をしてきたところだ。
「エース?準備できたけど…」
「ん~?先に入っていーよ。」
「ん、じゃあお先に失礼しま~す。」
ひらひら、と手を振るエースのお言葉に甘えて先に入ることにする。タオルを持ってシャワー室に向かい、服を脱ぎシャワーを浴びる。デュース達が帰ってくる前にエースにも入ってもらいたいから、なるべく早く上がってこようと思ったとき…シャワー室で会ってはいけない生き物に出会ってしまった。
「~~~~~~っ!!?」
言わなくても伝わるな?そう、みんなが嫌いなアイツだ。声にならない声を出して、タオルを引っ掴んでシャワー室から出る。そして談話室にいるであろうエースの元へ一目散に走るのだ。
「エ、エ、エース………っ!!で、出た!!!」
「なんだよなつき……ってぇ!!?ちょ、ちょっと待てお前服はっ!?」
そんな服なんて、体濡れてるし、正直着替えてる余裕なんて全くなかった。真正面から体を隠すのは二の次でエースにしがみつく。とりあえず私の平穏のためにエースに泣きつくしかないのだ。
「ヤツ、ヤツが出た!!たす、助けて!!」
「わ、わぁった、わぁったよ!!それはいいから前隠せって、」
「それはいいから!?アイツ出たら私シャワー使えないんだよ!?一大事なんだよ!?」
「…、ったく、動くなよ…っ」
恐怖で興奮してるのは自分でもわかった。エースはそれを察して、ふぁさ、っとエースが着ていたパーカーをタオルの上から被せてくれた。それから二回ポンポン、と頭を撫でられやっと冷静さを取り戻せた気がする。