第5章 告白
「……分かったぁ。じゃあ小エビちゃん、オレにギュッとして。」
「へっ!?」
「ほら早く~アズール探してんでしょ?」
手を大きく広げて待つフロイド。いつもこんな要求をしなかったから戸惑ってしまう。しかしアズールをこれ以上待たせるわけにはいかない。少し照れながら、その大きな体にギュッと控えめに抱きつく。
「あははは、小エビちゃんホントちっちぇね。」
「ん、ちょっ…」
優しく抱きしめ返され、首に顔を埋めたと思えばキスをされた。ばっ、とフロイドの体から離れてキスされたところを手で押さえる。
「離れんなよ、締めにくいじゃん。」
「そっ……れは、いきなりキスするからでしょ!?」
「え~~…?小エビちゃんは、オレにキスされんの嫌いなの。」
「え、いや、それは…」
嫌いと言えば嘘になる。だからと言ってさっきみたいにいきなりキスされると驚くし、あいさつ代わりみたいにキスしてほしくないのも本音である。そんなことを考えながら返事を考えあぐねていると…
「オレは小エビちゃんといつでもキスしてぇんだけど。小エビちゃんは…どう?」
少しずつ縮まる距離に体が緊張するのが分かる。そのままフロイドを拒むことなく受け入れれば、止まることのないキスの雨に心の中でアズールに謝る私であった。