第5章 告白
~フロイドver~
授業終わり、教科が違って別れていたマブ達と合流するために廊下を歩く。近道をしようと思い中庭へでた。すると、とても珍しい光景が目に飛び込んできた。中庭のベンチに横になってお昼寝をしているフロイドを発見したのだ。
「フロイド先輩……寝てるんですか?」
話しかけても返事がない。これは今寝たばかりとかじゃなさそうだ。話しているときは中々こうやってじっくり顔を見ることはない。この機会だし、フロイドの整った顔を眺めてやろうと顔を近づける。…本当にイケメンだ……まつげ長い………
「ばあっ!!!」
「うわっ!!?」
フロイドの目がいきなり開いて驚いてしまった。体が跳ねて後ろにこけそうになる。
「なぁにしてんの、小エビちゃん。」
「うわっと…」
尻もちをつきそうになった私の手を掴み、そのまま引っ張られ今度はフロイド側に倒れこんだ。気が付いたらフロイドに上からのぞかれており、膝の上に座っている状態になっていた。しかしこの近すぎる距離感も慣れてきたため、私は冷静にフロイドに答える。
「あ、そうだ。さっきアズール先輩に会って…探してましたよ。」
「え~~気分じゃねぇし、オレ行かな~い。」
出た、フロイドの気分じゃない発言。本当にダルそうに私に寄り掛かるのを辞めてほしい。
「アズール先輩に怒られちゃいますよ?」
「別に怒られても怖くねぇし。それより小エビちゃん、遊ぼ。」
「もー…大事な話だったらどうするんですか?というか、見つけててフロイド先輩とこうやって話してるところを見られたら…私も怒られちゃうじゃないですか!」
「え~…」
「お話が終わったら、私と話しましょう?あっちが先です。」
だだをこねてるフロイドにこうやって行くように促す。この役割もアズールやジェイドに何回も頼まれいるため慣れてきた。嬉しいことに、フロイドにとって私は飽きることのない人のようだから。