第4章 ポッキーゲーム
~レオナver~
ただいまレオナの部屋の前でレオナと睨み合っています。そんな大したことはないんだけど、例のごとく相棒に追い出されてサバナクローに来た。しかしレオナがいなかったので、部屋の前で待っていただけだ。
「おい、いつまでそこで突っ立ってやがる。」
「………」
「あ?聞いてんのか?」
「聞こえてますよ。」
「どきやがれ。部屋に入れねぇだろ。」
「はーーい。」
うーん、今日は機嫌が悪いのかな。まぁどっちでもいいけど。レオナは部屋にのそのそと入ると、一直線にベットへとダイブしていった。その様子を部屋のドアの前で見ていたら、めんどくさそうに招き入れてくれた。
「レオナ先輩…」
「なんだ。」
「あの……ポッキーゲーム、しませんか…」
レオナのことだから面倒くさい、と答えるか嬉々としてやるかのどちらかだろう。そもそもレオナに、こういうことを私から誘うのがとてもとても恥ずかしい。しかしレオナの反応は予想外のものだった。
「ポッキーゲーム……?」
「……あ、もしかして…知らない、」
「知らねぇ。」
この人、曲がりなりにも王族だった。こんな庶民のゲームなんか知らないか。一から説明するのもまた恥ずかしいもので、実演しながら丁寧に説明をしていく。
「…というゲームなんですけど、」
「いいぜ。」
「えっ、いいんかい。」
「つまりはポッキーを離さなければ勝ちなんだろう?キスしたくねぇ相手とならともかく、てめぇとなら話は別だ。」
「……ん??えっと、まぁつまり…やってくれるってことですよね。」
「あぁ、こっちに来い。」
珍しくレオナの方から誘ってくれた。ゴロゴロしてるベットへと向かえば、ん、と言って手を差し出してきた。
「ん、なんですか?」
「ポッキーってのはどれだ。」
「あぁ、これです。」
ポッキーを渡すと箱から出し端をくわえる。ほら、来いよ、と言わんばかりにこっちを見てニヤ、と笑うレオナに少し対抗心がでてくる。勢いよく反対側の端をくわえ、少しずつ食べ進める。あと少しで唇が当たりそうになったところで私は思い切りポッキーを折る。