第3章 メイド服
「あ、エース……」
「見てねぇから。」
「いや……」
「見てねぇ。」
は、とエースの膝の上にいたままだったのを思い出す。呼びかければ、確かに目を閉じて無表情で首を横に振っているエースがいた。残念なような、安心したような…
「そうじゃなくてね、あの…服貸してくれない?」
「お、おう。じゃあそこどいてくれね?」
「………やだ。」
「はぁ…!?いや、服取りに行けねーじゃん!!」
エースが相手だといたずら心が芽生えてくる。デュースに関してもだけど…目の前で見るまいと目をつぶって顔を赤くしているエースをじっ、と見る。いつもはおちゃらけたり、意地悪したりと年相応なのに…こういう紳士なところがとても好きだ。思わず控えめにだけど頬にキスをする。
「なっ…!!?もっ…お前っ…」
「んふふふ…」
「とっ……とりあえず、早く着て。目のやり場に困るから、」
ひょい、とお姫様抱っこをされエースのベットに座らされる。目はきちんとつぶっており、足や手で場所を確認しながら自分のパーカーを差し出してくれた。まぁ…見てもいいのにな、なんて思うけど。ちょっと恥ずかしいが、これは反応を見てみたいという好奇心が勝ってしまう。渡されたパーカーを着ずに下着を隠すように持つ。
「ありがと………いいよ、着れた。」
「はぁ~…やっと目を開けられ……」
目を開けてため息をつき、頭をかいたエースと目が合ってまた固まるエース。ボボボ、とみるみる顔を赤くさせたエースにクスクス、と笑いが漏れてしまう。
「……っ、ばっっっっかじゃねの!!!?何やってんだよ!!!」
これだからやめられない。