第4章 新入り
澪side
「ねぇユウ…。
詳しい事、わかった?
少しでも情報、入った?
何か思い出した?
蓮華はまだ……咲いてる?」
ユウの部屋の前で日課の質問をする
「昨日と同じだ…
何も変わってない。」
ユウの言葉に、残念だけど
少し安堵する
「そうか…。
じゃあ、私は行くところがある。
今日のところはサヨナラ。またね。」
「ああ。」
ユウには、忘れられない人がいる
探してる人がいる
愛してる人がいる
その人が早く見つかってほしい
ユウが笑っていたあの日常がほしい
そもそも私達の日常は、普通の人からすれば非日常だったけれど
そういえば
私はいつから、ユウを愛してたんだろう
ユウの言う「あの人」が見つかれば
この気持ちを捨てられるのかもしれない
でも、見つかったら、そばにいる事もできない
私と『あいつ』が、ユウに一番近い人だって、思っていたい
純粋にただ、ユウの幸せを願うだけなんて
私にはできない