第74章 那田蜘蛛山の記憶※
「そろそろ呼び捨てにしてくれないか」
冨岡は容赦無く揺さぶりながら言葉を続ける。
「同じ柱だ」
「でも⋯⋯貴方の方が歳上っひっ!!」
宇那手は、冨岡の胸に縋り付いて達してしまった。
「嗚呼⋯⋯駄目⋯⋯。もう駄目⋯⋯。苦しいっ!」
「だが、しっかり咥え込んでいるぞ」
「だって、この体勢じゃ⋯⋯逃げられないです! 嫌、嫌っ!」
「嫌じゃないだろう? 締め付けも凄い」
「一回離して!! 中が⋯⋯いっぱいだから」
扇情的な宇那手の瞳に、冨岡は胸が高鳴るのを感じた。仕方なく一度抜いてやると、自分でも呆れるほどの精液が宇那手の陰部から溢れて来た。
「これだけ出せば、孕みそうな物だが⋯⋯。まだ、行けるな?」
「嘘?! 嫌!! 無理です!!」
宇那手は、慌てて身体を引いた。冨岡はほくそ笑み、彼女を押し倒すと、片足を持ち上げて肩に掛けた。
「分かるか? これが一番奥まで届く」
「嘘嘘っ! うわぁ!! あ⋯⋯いっ⋯⋯駄目! 嫌!!」
「うるさい。さっさと名を呼べ。お前を抱いているのは誰だ?」
冨岡は最後の仕上げと言わんばかりに、ガンガン突き上げた。
「義勇っ!! 私の大事な人!! あぁ!! 駄目!! ひゃあ!!」
とうとう、宇那手は気を失ってしまった。痛みには相当強いのに、快楽には滅法弱いらしい。
治療の疲れも祟ったせいか、そのまま眠ってしまった。
意識の無い彼女を、冨岡は抱き締めた。離したくなかった。代われるものなら、自分が任務を代わってやりたかった。
過去に、彼女に命じた分だけ。「殺せ」と命じた分だけ。
「愛している」
言葉が止まらなかった。
「心から、愛している。喪いたくない。ただ、生きていて欲しい」
それから一週間、宇那手は蝶屋敷で療養する事となった。夕刻に訪ねて来た愈史郎が、頑なに彼女を引き止めたからだ。
結局、炭治郎が目覚めるまで、宇那手は胡蝶と冨岡の二人を相手に、ひたすら鍛錬に励んだ。