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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第59章 伝達


 同時期に、火憐から手紙を受け取った胡蝶は、複雑な表情を浮かべた。

 蟲の呼吸は、五大流派から更に派生したもので、自分が最終決戦に役立てる見込みが無かったのだ。加えて、彼女宛の手紙には、毒についての記載があった。

 鬼舞辻に使用する物は、胡蝶と珠世が合同で作成した物と、火憐が単独で開発した物を併用する、と。

 鬼舞辻は、部下の鬼や自身が喰った者の記憶を覗き込める事から、喰われることを前提に戦う胡蝶や、珠世には処方を教えられない、と。

 ──あくまで私の毒は、足止めに過ぎません。どの程度効くのか、どの速さで分解されるかも分からない。ですが、鬼舞辻にとって、完全に未知の毒を使用します。鬼に対する毒といえば、核に藤を用いていましたが、此方は別の物を使用します。

(ですが、問題はどうやってその毒を⋯⋯)

 ──鬼舞辻は、お館様の次に、裏切り者の私を憎んでいるはず。可能であれば、自分で始末するつもりで、柱との総力戦になれば、まず私を潰そうとするはず。私を潰さなければ、勝算が薄いからです。刀身に毒を塗ります。

 ──稀血の私を喰う事は諸刃の剣です。ですが、鬼舞辻に接触出来れば、身体の作りが似ている私なら、体内に侵入できる可能性があります。幸い、私は片腕を失っても戦える様に訓練をしていますので、最大で約五キロの毒を打ち込めるはず。

 ──体幹を鍛えていれば、片腕が無くなった程度では、戦線離脱をせずに済みます。幸い浅井さんの血液の型は、私と相性が良かった。凝固が起きません。失った方の腕を止血し、輸血を受ければ、即戦闘に戻れます。

 ──ですが、他に毒を打ち込む手段をご存知でしたら、教えていただきたいです。

(考えなくては)

 胡蝶は音を立てて立ち上がった。本がバラバラと床に落ちたが、全身が硬って動けなかった。

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