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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第52章 怒り


「下がってくれるかな。君の可愛い弟子達が、帰りを待っているよ」

「かしこまりました」

 火憐は礼儀正しく頭を下げて部屋を後にした。

 産屋敷は、冨岡に顔を向けた。

「宇那手の事だね? 今回は、何を代償にしたのかな。⋯⋯あまね、輝利哉も側に来てくれるかな」

 産屋敷の呼び掛けで、あまねと輝利哉も傍に駆け付けた。

 冨岡は中々口を開けなかった。彼ですら気分が悪くなったのだ。体調の悪い産屋敷にとてつもなく不愉快な思いをさせる事は目に見えている。

「宇那手は、今回鬼舞辻に身体を差し出しました。ですが⋯⋯それ以前の傷が癒えていなかったのです。その状態で、上弦の鬼を討った⋯⋯。彼女は⋯⋯あの娘は、私が想像していたよりも、遥かに酷い仕打ちを受けていたのです。もう二度と、同じ手段には出ないと誓いましたが⋯⋯お館様からも止めていただきたいのです」

 彼は額を限界まで畳に押し付けた。

「鬼の医者に指摘されるまで、気付けなかった私にも非があります! ですが、お館様があの娘のやり方を容認している事が、どうしても許せませんでした。あの娘は内臓を抉られ、何度も止めろと泣き叫んだと言っていた。あの痛みに強い宇那手が!! 吐いても行為を止められなかったと!! 逃げようとする度に髪を無理矢理掴まれ、首を絞められ、全身の関節を外され、逆らえば折ると脅され、無理矢理⋯⋯。正気を保つために、痛みを感じる様、敢えて逆上させ、殴られたとも!!」

「なんてことを!!」

 あまねが悲鳴に近い声を上げた。同じ女として、激しい嫌悪を抱いたのだろう。

「貴方、ご存知だったのですか?!」

「知らなかった⋯⋯では、済まされない」

 産屋敷は、表情を失って口を噤んだ。冨岡は、更に言葉を続ける。
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