• テキストサイズ

【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第46章 弟子


「貴方を信用しているからです」

 火憐は簡潔に答え、走り回っている浅井の首根っこを片手で捕まえて取り押さえた。鋼鐵塚は浅井を殴り続けた。

「全集中常中。つまり、寝ている間も呼吸を続けていただくのです。今晩は、女性の組が眠ってください。もし、途中で呼吸が途切れたら、起きている組の者が叩き起こしてください。翌朝から、昼過ぎに掛けては、男性の組が眠る様に。その後はまた、夜まで走り込みです。私は今晩任務があります。少々危険なものですので、最悪戻ってこない可能性もありますが、後は水柱の冨岡さんと、元音柱の宇髄さんに託してありますので、ご心配無く」

「いや、心配しますよ!!!」

 村田は眉を八の字にして、火憐に詰め寄った。

「また、上弦の鬼ですか?!」

「今の貴方方には、何一つお伝え出来ません。呼吸の制御も、感情の制御も出来ていない。秘密をお話する事は出来ません。早く⋯⋯一刻も早く、階級を上げてくださいね」

 火憐は、少し儚げに微笑むと、手を叩いて訓練開始の合図をし、自身は近藤の元へ向かった。

「貴女には、何時も苦労をお掛けします。鋼鐵塚さんを摘み出してください」

「いいえ! この様な形でしかお力になれず、申し訳ございません!」

「一つお願いがあります。実は、刀鍛冶職人がこれまで以上に狙われる可能性があるのです。あの面は、目印になってしまいます。鋼鐵塚さんには、街を通っていただき、その間に面を外していただく様、説得をしてください。出来ますか?」

「やります!」

「ありがとうございます」

 火憐は一礼して、走り込みを始めた者達を見詰めた。

「女性⋯⋯桜里さんと、男性の香川さんは、私の同期なのですよ。一時戦線離脱をしていましたが、戻って来てくださいました。とても嬉しいです。近藤さんの同期は?」

「親しい者は亡くなりましたが、何人かは生きているはずです。私も⋯⋯隠となっていなければ、死んでいたはずです。私はそれほど強くありませんでした。運が良かった⋯⋯」
/ 766ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp