• テキストサイズ

イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第8章 明日の私に〜織田信長〜



私は、褥に寝かされた。
信長様の手が、私の頭を摩り、髪を弄び、首を通り、ゆっくりと下に落ちていく。
私は、気持ち良くて目を閉じた。
好きな人に触られると、こんなに心地良いものなのか。
身体が少しずつ、熱を帯びていく。
知らない世界にいく…期待と不安だった。

「気持ち良いか?」と信長様は囁く。

その声を感じ、身体がまた熱くなる。
私は頷くのが精一杯だった。
目を開けると信長様の顔がすぐ近くにある。

「案ずるな、お前は俺に身を任せていれば良い」

「はい…」
胸がいっぱいで泣きそうだ。

「可愛いやつだ」

そう言うと、頬に口付ける。
私は唇にして欲しくなり、信長様を見た。

「なんだ、頬では不満だったか?」
信長様は楽しげに笑うと、私を眩しそうに見た。

「お前は綺麗な目をしている。
戸惑うほどにな」

私を見下ろし、そう言う信長様の瞳が、哀しげに見える。
私は、この人の寂しさを少しでも埋めてあげたい。
今は無理かもしれないけれど、そんな存在に私はなりたい。

「信長様…」

私は手を伸ばし、信長様の頬を両手で包むと、自分から口付けた。

「私が、守ってあげます」

そう告げると、信長様の唇がすぐ私を捉えて逃さなくなった。

信長様は、優しかった。
一つ一つ、丁寧に私の身体を気遣って進めてくれた。
恥ずかしくて死ねる…
でも、信長様だから見せられる。
みんな、こんなことをしているのか。
私はもう、顔を隠すことしか出来ない。
それも信長様の手が許してくれず、時々剥がされてしまう。

そして…最後はやっぱり…

苦しく身体が悲鳴を上げた。
これが気持ち良くなる日がくるなんて、想像もつかない。
信長様も苦しそうに見えたし、私も苦しい。
でも、初めて自分を丸ごと受け入れて貰えている…そんな安心感と嬉しさと、有り難さがあった。

「大丈夫か?」

今日、何度言われただろうか…信長様の優しさがあたたかかった。
あぁ、今の私は幸せだけれど、明日の私は泣いているかもしれない…信長様の側に、明日の私はいないかもしれない。
明日の分も、貴方をたくさん見つめなきゃ。
覚えていなくちゃ。
この痛みなんて、心の痛みに比べたら何てことないじゃないか。


「はい、ありがとうございます…私、一生忘れません」

信長様の全て受け入れて、こんな私を受け入れて貰った。
それだけで充分だ。

/ 462ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp