第67章 きみとの電話(現パロ)〜真田幸村〜
声というのは、媚薬のようなものだと思う。
しばらく耳に残るし、頭の中でも思わず再生してしまう。
もう一度聴きたくなる。
笑った時のふっと息が漏れるような甘い声。
心配そうに私に話しかけてくれた時の声。
そして…ちょっと照れたような声。
また話したい
声が聞きたい
あの優しい声が私を包んで甘くする
その声を聞かせて欲しい
「…もしもし。今、お時間大丈夫ですか?」
そう言って、かかってくる電話を心待ちにしている自分がいる。
いつも、ちょっとだけでも
業務以外の話もしたくて
週末になった時は、こう付け加える。
「今週もお疲れ様でした。土日、ゆっくり休んで下さいね」
そう言うと、ふっと笑う声がして
「…はい、ありがとうございます」
照れくさそうにそう答えるから、私も思わず笑みが溢れる。
…可愛いな。
それだけで満足してしまう。
君が頑張っているのは知ってるよ。
だから、倒れないか
心を病まないか心配になる
褒めてあげたい
労ってあげたいと思う
…頭を撫でてあげたいな、そう思う。
『偉いね。頑張っているね』
撫でながら、そう言ってあげたい。
でも、行き過ぎた行為だとわかるから、絶対しないけど。
だからね、こうやって
心の中で応援しているよ
…頑張ってね。