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イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第61章 続・ある春の日に〜織田信長〜



「秀吉さんは、私が信長様の持ち物だから優しくしてくれるんですよ。…誤解のないように言っておきます」
「なるほど。素直なお前らしい解釈だ」
「え?」
「…いや。秀吉の妹分なんだろう?お前は」
「えぇ。有り難いことに。でも、秀吉さんを想う方々にとって私は、恋敵に見えるみたいですね。仕方ないですけど」
「…嫉妬か」
「そうですね。そこまで特定の人に恋焦がれるなんて…ある意味羨ましいなって思います」
「羨ましい?お前は誰かを好きにはならないのか?」
「ならないようにしています、此処では」
「なぜだ」
「別れが辛くなるからです」
「なるほどな。…わかる気がする」

ふと、光秀さんの瞳が寂しげに揺れた。
光秀さんも特別な人を作らないんだろうな。
思わぬところで共通点を見つけてしまった。

「光秀さんは作った方が良いと思いますよ?」
「…ほう。理由は?」
「自分を大切にするようになるから、です。光秀さんは好きな人が出来たら、長生きしようとする気がします。今より」
「…俺のことをよくわかっているな」
「当たりですか?」
「どうだろうな」

濁されてしまった。
…光秀さんらしいな。
核心には触れさせない。
そういう所を好ましく思う。

その影のある様がかっこいい。
今まで会ったことないタイプだな。

ん?ということは、この人もかなりモテるんじゃ…。
よくよく考えてみたら、安土城にはイケメンばかりだ。

「光秀さんって女性に不自由していないですよね?」
「なんだ、急に」
「もしかして…政宗も秀吉さん並みに女性にキャーキャー言われてます?」
「見たことないのか?ちなみに三成も、本人は嫌がっているが家康もだ」
「うわー…」

秀吉さんのファン以外にもそうとう睨まれているな、これは。
私は背筋が寒くなってくる。

女の嫉妬ほど、恐ろしいものはないからだ。

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