第41章 恋の病にかかったら〜石田三成〜
そこまで言われたら、言うしかない。
でも本当はずっと知って貰いたかったのかもしれない。
…あなたのことを私がどれだけ好きか。
私は息を吐いて、三成くんをそっと見つめ返した。
「三成くんが、離れていかないか心配なの」
「…私が離れていくとお思いで?」
「ううん、別に疑っているんじゃないんだよ。三成くんのこと。
私が勝手に三成くんのことを毎日毎日想い過ぎて…それって重過ぎるかなって。
私のこといつか嫌になったらどうしようって不安なの」
…こうやって口に出してみると、なんと陳腐な悩みだろう。
具体的なことは何も起こっていないというのに。
こんなこと言われても困るよね。
わかってはいるんだけど…。
すると急に、三成くんは私をひょいっと抱き抱えてしまった。
私が突然なことに慌てると、三成くんは私を眩しそうに見上げながら、優しく微笑んだ。
その瞳が温かくて、胸がキュンとしてしまう。
「…葉月様、全然重くないですよ?」
「違う、そういう意味じゃ…」
「わかっていますよ。でも、貴女の想いなんて私は軽々と持ち上げられます。こんな風に。…ね、だから大丈夫です」
優しいな、三成くんは。
私は吸い寄せられるように、三成くんの顔に近づく。
その綺麗な肌を触り、頬に触れた。
「大丈夫かな?」
「大丈夫です…。だから、もっと好きになって下さい。私のことを」
「いいの?」
「勿論です。葉月様…私の可愛い人」
三成くんはそう言うと、柔らかい唇を私の唇に当てた。
その唇は私を追いかけて、何度も角度を変えて深まっていく。
…やだ。三成くんはわたしをすぐダメにする口づけの仕方をするから、力が抜けてしまう。
そのまま、私は褥に運ばれ寝かされた。
さっきまで見下ろしていたはずの三成くんに、もう見下ろされている。
そんな風にうっとりとした顔で見ないで欲しい。
三成くんの端正な顔立ちを間近に、私の鼓動は早急に動いて眉を顰めてしまう。