第27章 悔しさを胸に2
貴方side
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貴・仁「…」
あれから私の家まで無言の私達
貴「……仁科、ごめんね」
仁科「え………何の謝罪っすか」
貴「練習試合、あんな中途半端で代わらせちゃって」
仁科「何言ってんすか、足怪我してたんだから代わるのは当たり前っすよ。
むしろ、俺は…あれから1点も抑えられなかったっ、あんなタコ監督が居るチームにっ」
貴「タコ?」
仁科「…辻堂の国友って監督は、俺達と一緒に風林中に来る予定の監督だったんすよ」
貴「!あの人が…」
……マジか、名字は同じだからまさかとは一度は思ったけど
仁科「先輩の分まで流れ引き返そうと思ったけど、結局フルボッコで、心から悔しくて…俺は、強くなりたい」
貴「……私も、悔しい」
仁科「………!」
貴「あんな、ハンデ付けられてっ、挙げ句の果てに、怪我で途中退場なんて悔しくて仕方ないっ」ポロポロ
仁科「……」
普段は泣くことなんてないのに、やっぱり野球で負けるのは練習試合だろうと悔しくて涙が止まらなかった
貴「……だから、次は負けたくない」
仁科「!……俺も、俺も負けたくない!あのタコ監督を見返さないと気が済まないっす」
貴「……怪我が完治したら、更に特訓厳しくなるよ。次は、負けないために」
仁科「はい、やってやります。俺には野球しかないんで」
貴「私の台詞とんなよ」
……つくづく、仁科は負けず嫌いだな。私と同じ位
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オマケ
仁科side
仁科「…そういえば、辻堂のキャッチャーと知り合いなんすか」
貴「…光の事?まぁ、幼い頃からの幼なじみ。野球に関わったのも、光の影響かもしれない」
仁科「…(じゃあ、あの人が居なかったから先輩とは出会ってなかったかもしれない…?)……そうなんすか」
……あの人は多分、先輩が好きなんだ。
鈍い俺でも分かった。だって、俺と同じ表情で先輩を見てた
いや、星原先輩だけしか眼中にない感じだった
……今から予想出来る、あの光って人が一番最大の恋のライバルになるというのは
想いの長さは確実に負けてる、けどそれでも俺は簡単に諦めたくない