第2章 縁は異なもの味なもの
時は数週間前、
無事虎杖悠仁が無事東京都立呪術高等専門学校へ入学するところまで遡る。
「はい、できた!もう傷もバッチリ治ったね」
校舎内の保健室にて、伏黒恵は先の任務で負った怪我の経過観察をしてもらっていた。
「ありがとうございます久我先生」
「もう、あんまり無茶しちゃだめだよめぐ...あ、ごめん伏黒くん」
「別に呼び方なんてなんでもいいですよ。あの人がいない時なら・・・」
伏黒は、最高に胡散臭い最強の教師を思い浮かべていた。
久我 真奈美はこの学校のいわゆる養護教諭。彼女は呪術師でもなんでもない一般人だが、呪霊がみえる特殊体質だ。おそらくそれも関係してこの学校に在籍している。
年は五条悟の2つ下。
よく言えば個性豊か、正直に言えば変人の集まりであるこの呪術界、そしてこの学校において、彼女は唯一のオアシスのような存在だ。
唯一残念なのは五条悟の恋人ということくらいだろう。
「あの人って・・?」
一体何のことだかさっぱりわからないと彼女は首をかしげる。
彼女と五条が恋人同士であるということを知る者はごくわずかで、生徒の中ではおそらく伏黒だけであろう。そして彼女はきっと伏黒がその事実を知っていることを知らない。
あれはいつだっただろうか。
大した怪我ではなかったが、念のため必要な処置があればしてもらおうと伏黒が医務室に向かった時だ。