第3章 番外編〜2017/12/24〜
彼女が走り去る姿を見ながら、夏油はそっと天を仰ぐ。
ザッ
「・・・!遅かったじゃないか、悟。君で詰むとはね。家族たちは無事かい?」
「揃いも揃って逃げ果せたよ。京都の方もオマエの指示だろ?」
「まぁね。君と違って私は優しいんだ。あの二人を私にやられる前提で乙骨の起爆剤として送り込んだな」
「そこは信用した。オマエの様な主義の人間は若い術師を理由もなく殺さないと」
「クックックッ。信用か。まだ私にそんなものを残していたのか」
「何か言い残すことはあるか?」
「・・・誰が何と言うおうと猿どもは嫌いだ。でも別に高専の連中まで憎かったわけじゃない。ただ、この世界では私は心の底から笑えなかった。」
「傑、——————」
「はっ。最期くらい呪いの言葉を吐けよ」
バシュ
五条も1年生の元へ合流し、乙骨は無事解呪を達成した。
何もかも全てが終わってから、彼女は硝子のいる医務室へと向かった。