第8章 仮面の下で嘲笑う
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ヴェネットはことの成行きをヴィリルに説明した。
「なるほど……つまり…ヴェネットは契約〝させられた〟んだね。」
『姉さん〜〜!!話を理解してくれるのは姉さんだけだよ〜!』
「私の可愛いヴェネットに変なやつがついちゃったよォーー!」
「……なんだこのバカ姉弟……」
(…………やっぱりこの人…何処かで見たことあるような…)
(それに…〝べストール〟も聞いたことあるような…)
(気のせいかな…)
ヴィリルはそんなことを思いながら、寮についてる蝋燭をつけた。
少しの光がべストールの赤い瞳を照らした。
べストールからはヴィリルの金色の瞳が光っているのが見えた。
2人は数分だけ見つめあっていたが、直ぐに逸らした。