第8章 仮面の下で嘲笑う
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しばらく暗い森の中を歩いていたヴェネットは視界が狭くなっており、ランタンの灯だけが頼りだった。
『っ!いてて…』
突然痛みが走った。
暗すぎて横にあった鋭い木の枝に気づけずに、指を切ってしまったヴェネット。
『あーあ…血が出てきたな…』
べストールの目が怪しくゆらゆらと光った。
「見せてみろ。」
俺は素直に従って、べストールの目の前に手を差し出した。
『ちょっ!……やめっ!』
突然べストールはヴェネットの傷口の血を舐めとった。
『お前何してんだ!』
「クフフフ……さぁ、これで契約が完了した。」
『……………は…?』
べストールは〝悪魔〟のような笑顔をヴェネットに向けていた。
ヴェネットは強引に契約を結ばされたのだ。