第7章 見えない影で……
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「………唯一の…俺だけの姉さん……」
俺は姉さんの部屋に入った。
規則正しい寝息を立ててる姉さんの頭を撫でていた。
「行ってくるよ…姉さん」
シンデレラタイムを越したぐらいに、ヴェネットは寮を出ていった。
暗闇の中、彼のピアスがゆらゆらと光っていた。
彼は暗い暗い森の中に来ていた。
そして今日も〝依頼〟を受けていた__
『その依頼お受け致しましょう。ただし内密にお願いします。』
依頼者が立ち去ったあと、ヴェネットは哀しい笑顔をしていた。
「命の尊さ、儚さ、脆さ、を知らない愚かな人達は簡単に人の命を奪おうとする…」
『〝目的〟があるならまだしも、ただただ憎い、ウザイ、醜い…そんなくだらない理由で殺めていいものじゃない…』
『まぁ…でもちょうど良い。』
『〝目的〟に需要があるものは手を貸そう。』
さぁ、姉さんが待ってる…帰ろう