第4章 ウワサの真偽
『…たしか君は…ヴェネットと同じクラスの…えっと…』
私はわざと相手に名前を言わせるようにした。
「ジェイド・リーチです。」
『あぁ、そうだそうだ。リーチ双子その1の方ね。』
『私はヴィリル・ヴァンヴァリア。』
「おや、その1だなんて悲しいですね。」
「かと言って、リーチ君と呼ばせればフロイドと見分けつかなくなるので、是非とも僕のことジェイドとお呼びください。」
これは逃げられないな……
「ところで、最近よく聞くウワサはご存知ですか?ヴァンヴァリア先生」
彼は笑っているけど、完全に目は笑っていなかった。
(この話題だよねぇ…来ると思った。)
(さて、どう逃げようか…)
ここは知らない作戦で行っちゃお!
『いや、ご存知n…』
「もちろんご存知ですもんね?なんたって貴方の弟さんの噂ですもんね」
これはほんとにやばいかも…
額から冷たい汗が流れた。
でもヴェネットの情報はいくら生徒だからって教えられるわけが無い!!
仕方ない、ここは逃げるが勝ち!!!
私は風の速さで駆け抜き、逃げ切ることに成功した………はずだった。