第10章 仮面は外せない
なるほど、それなら納得がいく。
と、1人で考えていたヴェネットにヴィリルは話しかていた。
「おーい!ヴェネット〜おーーい!」
『……っ!あぁ、ごめん姉さん。』
「誕生日おめでとう!私のサプライズは気に入った??」
そりゃ気に入る。なぜなら…物心がついた頃には俺には両親が居なかった愛情を注いでくれるはずだった幼少期。
でも、俺には姉さんがいる。誕生日になると毎回小さなワンホールケーキを作ってくれて…必ずお祝いしてくれる。姉さんが仕事をし始めても俺の誕生日には必ず早く帰ってきてくれた。
そんな姉さんと2人きりの幸せな時間が好きだった。
『うん、もちろんだよ。』
ただ………今年も2人の時間になれると思ったのに…帰ってきたら同期の人達ばっかし。嬉しい半面少しだけ……虚しさがあった。
その想いはほんの小さな事だった。
もちろん、周りも気づかない…ヴェネットさえも気づけない。
そんな僅かな想いは儚く彼の心を揺さぶるだけだった。