第10章 仮面は外せない
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学園が終わった後、そのままローブを被り、僕は少し明るい森の中に入っていった。
今日の依頼は時間が少し掛かるらしく、早めに来てよかった。
もう随分と__彼らの視力、色覚は着々と集まりすぎた。
もう十分集めたのだ。1度実験に移すべきだな。
必ずや成功させてみせる。
あの「計画」を___
僕と姉さんは幸せものになるんだ。
その姿を見ていたべストール。
べ(あぁ…もうほとんど正常な判断が出来なくなってきている…なんて、なんて美しいんだろう。絶望に染まっていく心や表情は見ていて本当に美しくて堪らない)
べストールは楽しんでいた。かつての弟が闇堕ちしていく姿を美しいと言い、止めることは、絶対にしない。むしろ、止めること冴え惜しいと思っているほどだ。
そして夜になりやっと、依頼が終わったヴェネットは疲れた様子で寮に帰った。