第10章 仮面は外せない
『特に姉さんは…僕の唯一そばに居てくれる存在…』
そう言ったヴェネットは高校生とは思えないほど、全てわかっているかのような顔をしていた。
べ「いいねぇ。本当に僕の弟そっくりだ、その頑固な所も。」
『あの「計画」は変更なく、行う!』
『もう誰も失いたくない…だから!僕は正しい事をする!!』
例え間違っていると言われても僕は、僕らしく。
姉さんは僕を認めてくれた、そんな姉さんが裏切るなんてことは無い。
僕は姉さんのために…もう迷わない。間違ってなんかいないんだ。
いや、間違ってるなんて思っちゃいけない……もう引き返せない。
_______本当に僕は正しいの?
ポタッ…ポタッ…
黒い雫が心を黒く染め上げる。
そう決心した僕は_明日も明後日も僕は「善いこと」をする。
悪者は生きては行けない_存在そのものが悪に染まっている。
僕が清く正しく地獄に送る。