第10章 仮面は外せない
そして角を曲がった弟__
兄は大声で叫んでいた。
「危ない!!!!ヴェネット!!!」
目線の先にはトラック、気づいた時には俺は空を舞っていた。そして次には鋭い痛み_地面に投げつけられる痛み苦しみを感じた。
「あ゛あ゛あ゛っ!!!ヴェネットしっかりしろ!!」
…どうしてこいつは俺の名前を知っているんだ??
「あぁ…僕が僕がちゃんと見ていなかったせいで……ヴェネットがこんな姿に………」
「っっ!!兄……さ、ん…べ、べストール兄さん……」
「!!ヴェネット喋らなくていい!余計に傷が広がっちゃう!!」
べストール………??この弟は今べストール兄さんって言ったのか??
どういう事だ…いきなりの情報に頭が混乱している。
ここで夢は終わった___
目が覚めると目の前にべストールが居た。
『うわっ!びっくりした!』