第10章 仮面は外せない
悩みに悩んだヴェネットは分からなくなり、眠ってしまった。
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男の子が2人……何かを話している…この子どこがで見たことあるような…
「兄さん!見てみて!僕もうこんなことできるようになったんだ!」
「凄いじゃないか!もう兄さんを通り越せそうなほどだな〜!」
2人は楽しそうな仲のいい兄弟だった。
「兄さん!あっち行こ!」
「待てまて!そんな引っ張るんじゃない!」
「兄さん追いかけっこだよ!僕が鬼ね!あの建物まで!」
「分かったよ、こわーい兄ちゃんが襲うぞーぎゃはは!」
……これは夢だ。俺は夢だと言うことに気づいた。俺の目線は低く、自分の言う通りにはならず、ただただ弟の中に俺の意識があるだけだった。
視線の先には兄らしき人が見える。
無邪気な2人は鬼ごっこをしていた。