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日輪を繋ぐもの【鬼滅の刃/煉獄杏寿郎】

第1章 日輪を繋ぐもの





「………」

見慣れた処置室の壁と天井
この角度から見たことなかったな

「…ぁ…」

「お目覚めですね。気分はどうですか?」

「すみません、私!」

慌てて身を起こそうとすると、穏やかな口調とは裏腹に抵抗を許さない力で寝台に押し戻された。

「まだ安静になさってください。…まだ、というか当分ですね」

有無を言わせない口調でしのぶが続ける

「これからいくつかお聞きしますので、わかる範囲で答えてくださいね」




「最近眠れていますか?」

「ええ、むしろ少し朝起きるのが辛くなったくらいです…」




「食事は?」

「食欲が出なくて、あまり…」

はぁ、と大きなため息をつかれる。
え何、私そんなに悪いことした!?




「微熱が出ていますね、喉の痛みなどは?」

「怠さはありますが、喉は痛くないです」




「最後に性交をされたのはいつですか?」

「せっ…!?」

「おや、言葉が直接的すぎましたか。煉獄さんと最後に交わられたのはいつでしょうか」

いや私も医者ですし、そうではなくて…というか言い直しても十分直接的です

「ふた月ほど前、だと思います…」

柱の仕事は激務だし任務は主に夜だからそんなに頻繁には…っじゃなくて!!!



「では最後に、ふた月の間月経はきちんときていましたか?」

「来て…いません…」



コトリ、とカルテに走らせていたペンを置く。

「おめでとうございます。ご懐妊でしょう」

…ごかいにん?
ゴカイニン、五回忍、誤解認????

「食事の匂いで気分が悪くなったのは、悪阻の症状だと思われます。」

つわり、と聞いてやっと『ご懐妊』という言葉が頭の中で繋がった。

「こど、も…?」

「まだ確実に断言できるわけではありませんが…貴女の体に、新しい命が宿っている可能性は、非常に高いと思います」

はらはらと、千聡の見開かれた瞳から涙が溢れた。





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