第7章 ❇︎生存if❇︎ がんばれ父上!
訳がわからないまま味わう余裕もなく終えた昼餉の膳を片付け、子供たちをやっとこさ昼寝させる。
「千聡『杏寿郎さん』……なんだ」
それはもう食い気味で。勝った。
「とにかく診せていただきます!そこにお座りください」
「はい」
(敬語!?)
「…発熱、異常な発汗もなし、脈も正常。裂傷どころか擦過傷や打撲さえ見当たらないとは…本当に身体に異常はないようですね」
「うむ、柱ならば当然のことだ!」
いやそんなキラキラした顔で見つめられましても。半裸です。
「もう着ていただいて大丈夫です。」
「うむ!」
「…で、何があったのです」
「………」
「…………」
「……………」
「あなたまで子供のようなことをなさらないでくださいな。」
「…嫌い、と」
「きらい?」
「杏火に、『父さま嫌い』と言われてしまった!!!はっはっはっ!!!」
「………それだけですか?」
「それだけとは?」
「それであんな大袈裟に倒れていたのですか!?」
「大袈裟ではないぞ!一大事だ!!」
「楓寿郎だって驚いてあんなに泣いて…」
「すまん!そのあたりのことはあまり覚えていない!」
「はぁ…こちらの寿命が縮みましたよ」
「それは困る!!」
「どうしてそこだけ素直ですか。
…そもそも。何故そんなことに?」
「わからん!!!任務から帰り、久々に杏火と楓寿郎と遊んでやろうと思ったら唐突にな!!!!」
「何か理由があったのではありませんか」
「むぅ…何も心当たりはないのだが…」
「ではたまたま機嫌が悪かったのかもしれませんし、あまり気になさらないでください。きっと寝て覚めれば元通りになりますよ」
「うむ…ここのところ連日任務だったから寂しい思いをさせているのかもしれん。
まだしばらく忙しそうなのでな。二人のこと、どうか頼む。」
「ええ。心得ております。」