第6章 任務完了!?
「うそ。」
「どうした?」
「起きてたんですか…!」
「うむ。君が眠るまで眺めていたくてな」
「寝てました!目を閉じていたじゃないですか!」
「千聡が眠ったかどうかなんて、わからないはずないだろう」
「っどうして!?」
「君の呼吸でだ」
「…よもやよもやだ…」
「む!それはひょっとして俺の真似か?よもやよもやだ!」
「(声に出てたぁぁぁ!)…ええぇいやあの、さすがに杏寿郎さんももう寝たかなと思って…!」
「俺が寝るのを待っていたのか?どうしてだ?」
「…だって…お疲れのはずなのにちゃんと眠っているところを見たことがなくて、その…」
「そんなことを心配してくれていたのか」
「そ、それに、私、杏寿郎さんとこうしているのが大好きなのに…この間も私は先に眠ってしまって…」
「………」
杏寿郎さんはなんとも嬉しそうな顔でこちらを見つめている
「…その、髪が綺麗だなとか、まつ毛が長いなとか、目を閉じたお顔とか、もっと近くで見たいな、とか思ってしましまして!!!」
あぁぁぁぁ白状してしまった!それも支離滅裂な日本語で!!しましまって何よ!!!
「っふくくくくく…っ」
「笑わないでください…!」
私はもう半泣きである。
「すまん、馬鹿にしたつもりはないんだ…っふふ、はははは…っただ君が、あまりに可愛らしくてな…
それに、そういうことは男が女性に言うものではないのか?」
「女性だって、好きな人にはもっと近づきたいと思うものですっ」
「だから俺の部屋を覗いたりしていたのか?」
「!?気づいて…!?」
「躊躇いがちに、忍ばせたつもりの足音がよーく聞こえた!」
「起こしてしまっていたなんて…すみません。
あ、ではいつも背を向けていたのは」
「わざとだ!!」
「もう!」
「襖を開けるだけで声をかけてはこないし、俺も君の目的をはかりかねてな。部屋に入ってきたらどう驚かせてやろうかと思っていたが。」
「お恥ずかしいです…」
「俺と君は夫婦ではないか。余計な気を使わずとも俺はもう君のものだ!いつでも千聡の好きにしてよいのだぞ!」
「なんだかそれは凄い台詞に聞こえます!」
「そうか?」
「そりゃもう!!!」
「はっはっは、気にすることはない!」