第4章 陽だまり
「はいはい、よしよし杏火、よしよし」
「うぇぇ…ふぇ、ずびっ」
「オイ宇髄、片腕で赤ん坊潰すなァ」
「だから潰してねえよ!ってかなんで同じ男なのに不死川には抱かれても泣かねえんだよ…!俺の時だけ派手に泣きやがって…地味にへこむぜ…」
「テメェと一緒にすんじゃねェよ。それに俺ァ弟妹あやしてたから慣れてんだァ」
「くそ…物騒なツラしてるくせに…」
「まだ言うかソレ。今はテメェも大概だろ」
「…ぁうー…?」
「だァ…お前が杏火泣かすから楓寿郎まで起きちまったじゃねェか」
「お、起きたかちっちぇー煉獄!」
布団から顔を覗かせる楓寿郎を見て
いたずらを思いついた子供のような顔で、宇髄さんは懐を探り始めた
ちりん
「まぁ、それは…お手玉ですか?」
「いい音だろ?特別に鈴をつけてもらった。
また抱いて泣かれちゃかなわねぇからよ…
ほれ、こっちまで来れるか?」
ちりりと、手元でお手玉を振る
「あう、うー!」
「おぉ!這うの上手いじゃねえか!頑張れ頑張れ!」
てちてちと近づく楓寿郎は、お手玉を振る宇髄さんの腕によじ登らん勢いだ
「こりゃあ立つのももうすぐかもなァ」
「最近はお乳を飲む量も増えて。重くてかないません。」
「いいぞ!派手に立て!」
「煉獄も喜ぶぞォ」
この『煉獄』は、私のことではないとわかる
「えぇ。きっと、杏寿郎さんも楽しみにしています」
いつのまにか南中した太陽が、一際世界を明るく照らしていた
ドンドンドン!!!