第4章 陽だまり
「邪魔するぜ!!!」
「あ、コラ待つんだ!!」
「待って…!」
「ごめんくださーい!千聡さん、いますか?
…げっ!?!?」
「…よぉ我妻…」
「ヒィッなんで!?!?なんでいるの!?!?俺は千聡さんに会いにきたのにいいいい!!!!!!」
「またうるせェのが来たもんだなァ…?」
「おっいたなチビギョロギョロ目ん玉!!!!早くおっきくなれ!!!そして俺と勝負だ競走しろ!!!!俺に勝てたらツヤツヤのドングリやるから!!!」
「うわぁ杏火ちゃん!ますます千聡さんに似て美人になったねぇ!!!将来有望だわ!!!!」
「やめないか善逸、伊之助!すみません千聡さん…宇髄さん不死川さんも、お久しぶりです」
「まぁ炭治郎くん、それに善逸くんに伊之助くん、禰󠄀豆子ちゃんも。いらっしゃい。」
ペコリとお辞儀をする竈門兄妹と
宇髄さんの前で頭を抱えたかと思えば、たちまち目を輝かせる善逸くんに
どこから出してくるのか、ツヤツヤのどんぐりを畳に山盛りにする伊之助くん
それを鬱陶しそうに見る不死川さんと宇髄さんも、どこか嬉しそう。
杏寿郎さん
見えていますか?
みんな、笑っています
『多くのものがこぼれ落ちていくけれど、この手に一つでも残るものがあるならば守りたい』と、ある時言った気がするけれど
少し見方を変えれば
その空いた手には新しい宝物を集めることもできると、思えるようになりました。
きっと、両手いっぱいの宝物を持って会いにいきますね。
「みなさん、」
「ありがとう」
ほら、またひとつ。
ここは太陽のあたる、暖かい場所。
【陽だまり 終】