第1章 日輪を繋ぐもの
「千聡さん、少しでいいので召し上がってください」
「今日は鶏肉を入れたおじやにしました」
「今日は冨岡さまが鮭大根を、不死川さまがおはぎを持ってきてくださいましたよ」
それから数日間、なほ、すみ、きよ、アオイだけでなく時にはしのぶ自ら食事を運び、その度に手をつけられていない膳を下げてくれていた。
人の体からあんなに涙が出るなんて初めて知った。
なにも、身体に入れる気になれなかった。
次第に寝台にから身を起こすのも億劫になり、ついに点滴が繋がれた。
その日の夕方、いつもの通り夕餉を運んできたアオイと入れ替わりに、歩くのもやっとといった少年が訪ねてきた。