第1章 日輪を繋ぐもの
【千聡side】
「んん…」
手紙を認めた後、とろとろと眠ってしまっていたらしい
何やら部屋の外が騒がしいな
窓の外を見るに…もう朝だろうか。
コンコン
「千聡さん…胡蝶です。起きていらっしゃいますか」
「しのぶさん?起きております。どうぞ
急患ですか?私も何かお手伝い、を…」
「…」
「しのぶさん…?」
疲れというには重すぎる影を落としたしのぶの瞳に、ざわりと、嫌な感じがした。
「千聡さん…煉獄さんが、」
「カァー!カァー!」
「「!」」
「炎柱、煉獄杏寿郎、殉職!
本日未明、無限列車ノ任ニテ上弦ノ参ト戦闘ノ末、死亡!」
真っ暗な闇の中に、叩き落とされた気がした。
「っ、」
杏寿郎さんが、なに?
「………千聡さん」
「……」
「…あと数刻で、到着するそうです」
タタタタタタッ
「失礼します、胡蝶さま!患者3名到着です!お願いします!」
「っ…!はい、すぐに。」
しのぶは目を見開いたまま微動だにしない千聡手を取りぎゅっと握りしめると、患者の元へ走っていった。
しのぶのいた足元に、ぱたぱたと雫が散った気がした。
それからどのくらい経ったのだろう。
しのぶに連れられた部屋には、
真っ赤な目をした蜜璃ちゃん、その傍に佇む伊黒さん、寝台横の椅子に腰掛ける宇随さん、扉の横、隅の壁に背を預ける不死川さんがいた。
そして中央の寝台に…目を閉じて眠る彼がいた。
血と埃に塗れながら、どこか笑っているような顔で。