第1章 晴れのち出会い
悩むことなくすぐ決められたのか、
下着と靴下を持ってレジにやってきた。
おー。5万超。今日の予算達成やな。
頑張った。とっても頑張った。
ゆっくり今日は寝れそうや。
あ、あかん。今日はBARがあったわ。うわー。明日から三連休やからええけど..。
用事がー。とか言うてズル休みの三連休。
『何泊の温泉旅行なんですか?』
合計金額を伝えながら世間話をすることも忘れない。
「いやー、悪いな、幻太郎!」
「まったく...貸しですからね。」
え、いやいや、アンタが払うんちゃうんかい。
ほんで、アンタが払うんかい。
と言うツッコミは心の中にしまう。
「3泊4日だよー!
あ、ねぇねぇオネーサン!!
可愛いオネーサンがいっぱい居る飲み屋さん知らない??」
この人はプレイボーイなのかな??
『私も飲み屋はしてますけど、
如何せんこっちの立地はサッパリで。あ、関西から引っ越してきたんですけどね。』
「へー!!そうなんだ!!オネーサン可愛いし、オネーサンのお店行こうかなー!どこなの?」
ありがとうございます。といいながら、お金を貰い、お釣りを返すという作業をしながらお店の場所を伝えようとすると、
「お店の場所を聞いたところで、
こちらも立地が分からないでしょう。」
「あ!そうだった!!」
「賭場とかねぇの??」
「帝統。旅行の時くらいは我慢なさい。」
え。ギャブルすんのこの人。
「オネーサンは同伴とかはしてないの?」
『同伴ですか?同伴はしてますけど..』
「ならオネーサン!今日出勤ならさ、同伴してから、オネーサンのお店連れて行ってよ!!
ついでに美味しいご飯屋さんも案内して!」
音符とハートが乱雑して放たれる言葉に一瞬思考回路が停止するも、
タダ飯にはやはり引かれてしまう。
わかりました!ぜひ!と営業スマイルで連絡先を交換して、またお待ちしております!とお辞儀をし、見送る。
BARのママに同伴をする旨を伝え、
少し楽しみだと思っている自分にとても
驚いた。
そして、こんな暇な日に売上予算を一気に達成したことに
男性スタッフもとても驚いた。
同時にその男性スタッフと思いがリンクする。
予算達成すると尚のこと帰りたくなる。