第8章 晴れのち欲望
恋人。
そうなると、相手との未来を見てみたいものだと、
1度は思う。
この人と夫婦になったらどんなだろう?
子供ができたらどんなだろう?
女の子の妄想は甘いスイーツ。
まるで催眠術に掛かったかのように
あなたの事しか見えなくなる。
どうか、この催眠よ解けないでいて。
移動の車内の中で
帝統くんが
「にしても意外だよなー!恋だとか愛だとか興味なさそうなのになー!」
と、幻太郎に向けてそう放った。
たしかに、パッと見た感じ淡白なイメージがある。
「興味あるかないかと言われると、
興味はありましたよ。人を好きになるというのはどういうものなのか。っていう興味はね。」
「それは作家だから?」
乱数くんが首をかしげる。
「それもあります。」
含みがあるようにそう言う幻太郎に
また後で色々と聞いてみよう。と思った。
えー!教えてよー!と駄々をこねる乱数くんを他所に
目的地に到着。