第6章 晴れのち嘘
「ところで、
いつも通りの話し方でよろしいですよ。」
『んー。でも、言葉遣いが荒くなっちゃうから..』
「構いません。
そんなことで、幻滅なんてしませんよ。」
『そう?
ほんなら、そうしよかな。』
無言の彼に少し不安になった。
『え?あれ?あかんかった??』
「いえ...方言が可愛いって言う人達の気持ちが手を取るように分かるなと思いまして。」
私から見れば
ほんのりと顔を赤くしながら言う彼の方が可愛いと思う。
タバコミュニケーションもそこそこに、
朝風呂に向かうのだった。
お風呂から上がり、
化粧などを済ませ、
部屋に戻れば、幻太郎は準備万端な様だった。
「今日も綺麗ですね。」
外国か、ここは。
『なぁ、それ毎日言うスタンスなん?』
「えぇ。思ったことは口に出すことにしようかと。」
嬉しいから、良いか。
「さて、時間が余りましたね。待ち合わせをロビーに変えて、2階の喫茶店で眠気覚ましのお茶はいかがですか?」
『ぜひ、ご一緒させてもらいます!』
2階の喫茶店に向かい、
窓際の席につく。
幻太郎はアールグレイを。
私はアッサムのミルクティー。
そして..
『どうしよう。頼んじゃおっかな..でもお昼ご飯食べきれんかったら、どうしよう..』
「お昼ご飯、小生が食べるお手伝いをしますよ。」
『ほんま!?なら、あとこのスコーンください!
ジャムやなくて、クロテッドクリームをつけてください!』
かしこまりました。と頭を下げる店員さんに、お願いします。とだけ告げて
メニューを戻す。
「こういう喫茶店、お好きなんですか?」
『うん。
紅茶がめっちゃ好きで、オオサカやコウベに居ったときはよく行ってたし、
家でもよく飲んでるよ。
スコーンも大好物。
あー。太ってしまう。』
「ルカが太ったとしても、小生は気にしませんよ。」
『いや、気にしようよ。甘やかしたらあかんよ。』
「そうですか?
恋人のことは甘やかしたいと思うものかと。
ですが、貴女がそう言うなら、
おやつは..1日1回までです!」
『禁止じゃないんや。』
「小生と食べてくれるなら。」
微笑む彼を見ながら思ったこと。
前の恋愛ってなんだったんだろう?
そう思うほどに
今、恋愛してると実感している。
こんな日常が続くことを
ただただ願うばかりだ。