第2章 雨のちトキメキ
「ほんと、誰もこちらに見向きもしませんねー。
泣いても気づかないんじゃないでしょうか。」
コロッと大粒の涙が零れてからは、もう自分の意思では止められなかった。
辛かった。苦しかった。痛かった。
そんな張り裂けそうで叫び出しそうな心に
お願いだから黙っててと蓋をしてきた。
それから2年経ったのだ。
もう平気だなんて余裕を持ってたつもりだったけど、ふと思い出すのには
2年なんてまだ最近のこと過ぎて
思い出は鮮明に蘇ってくる。
手を握ったまま涙が止まるのを待ってくれてる幻太郎さんに
さらに違う感情の涙が溢れてくる。
この人のこと、好きだ。
懲り懲りな恋をした私は
また性懲りも無く恋をした