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【ツイステ】アナタのトリコ。【短編集】

第6章 限界プラトニック!【クロウリー】




ツイステッドワンダーランド…
黒き馬車に迎えられて、僕が連れてこられた世界。

ここには僕の居場所なんてなくて、どうしたらいいか分からなくて途方に暮れていた。


「私、優しいので!」


そう笑いながら、貴方は優しく手を差し伸べてくれて_____


「はいはい…その話何回目ですか。もう聞き飽きましたよ…」
「ああっ!学園長!!そんな事言わないでくださいよ!」

月明かり照らす、綺麗な夜。
僕と僕の想い人であるディア・クロウリーは2人でハイティーを楽しんでいた。

ふぅ…と疲れたようにため息を吐く学園長。
僕と一緒に夜を明かすことがそんなに嫌なの…?

「だって、一晩中学園長と一緒に居られるなんてあんまり素敵すぎて…っ!」
「…オンボロ寮の雨漏り工事が終わるまでは、ここに寝泊まりするしかありませんからね…。」


オンボロ寮は長年使われていなかった古い建物なので、部分的に復旧工事が行われている。
いわゆるリフォームってやつだ。

「別に僕はハーツラビュルでもサバナクローでもオクタヴィネルでもどこでも良かったんですよ?」
「何を言っているんです!まだバレていないとはいえ、教育者として年頃の男女をひとつ屋根の下で生活させる訳には行きません!」

急に大声で怒り出すから、紅茶をこぼしてしまいそうになる。
…そう、ここは男子校だから、"私は"普段男子生徒のふりをして生活しているのだ。
他の生徒に私が女である事がバレないよう、学園長の監視の元、今だけ学校の一室を借りて過ごしている。


「えへっ、優しいですね学園長。僕が誰かに襲われちゃったら困るから…?」
「そうですね。私の学校から淫行事件が出てしまったら困りますから。」
「えぇ~っ僕のこと好きだからじゃないの??」

彼の隣に座ってぐっと距離を詰め、仮面の奥に光る金色の瞳を見つめる。

「私がキミを好きになるだなんて、あと2万年は早いですよ。」

…またいつものようにはぐらかされて終わりだ。
"私の"想いなんて彼にとってはなんでもないもの。

もしかしたら自分の手を煩わせるお荷物だと思っているかもしれない。

それでもいい。

学園長の…クロウリー先生の長い人生に、少しでも自分が刻まれるのなら、迷惑な存在だって異端な問題児だって構わない。

…彼の前でだけは、女として羽を伸ばしていたい。

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