第3章 拡散ルーマー!【レオナ】
次の日…
いつものように植物園で授業をサボっていた時だった。
「あっ、レオナさん!」
「…あ"ぁ"?」
サラサラで艶のある髪
真っ白な肌
ぷっくりとした紅い唇
___そしていつも、俺の鼻を擽る甘いフリージアの香り
「じゃねぇか…ここに何の用だ?」
「次の授業で使う花と薬草を取りに来たんです!いつもここでサボってるみたいだし、レオナさんいるかなーと思って」
俺の横に腰掛け、覗き込む。
大きくてくりくりとした黒目には、俺だけが映っていた。
「……今日は出る気がしないだけだ。知ってることを学んだって何の勉強にもならねぇからな…」
「私だってつまんないから、クルーウェル先生から頼まれた雑用を理由にして授業サボってるんですよ?」
仲間ですね、なんてキラキラした笑顔で話しかけられる。
この時間だけでも、自分と彼女の2人だけの時間を過ごせて嬉しいはずなのに…
《知ってるか?あのマレウス・ドラコニアと監督生、夜に2人で密会してるらしいぞ…!!》
あの噂が頭から離れず、イライラしてしまう。
俺だけじゃなくて、あいつにもこの笑顔で話しているのか?
あいつにも、俺にするみたいに____
__ガバッ_
…我慢できずに、後ろからきつく抱きしめる。
「おっ…とぉ……レオナさん、急にどうしたんですか??」
「……寝る」
「えぇっ!?これじゃ私抱き枕じゃないですか~!!」
は嫌がるどころか、笑いながら抱き締め返してきた。
俺から…男から抱きしめられてるというのに、まるで危機感を感じていないに余計腹が立つ。
「…なぁ」
「ん、なんですか…?」
「てめぇはなんでそんなに無防備なんだ」
「ん~なんだろう…よくわかんないけど、レオナさんに抱きしめられながら寝るの、結構すきなので!」
嗚呼、駄目だ。
そんなに俺の事を軽視しているのか。
男として_____"雄"としてすら認識されていないほどに。
「…ひゃうッ!?/////」