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【ツイステ】アナタのトリコ。【短編集】

第3章 拡散ルーマー!【レオナ】




「レオナさ~ん、お疲れ様ッス。」
「ふぁ~あ…かったりぃ~……あんなつまんねぇ授業もう懲り懲りだ。」
「もしかして…今日はちゃんが出てたヤツだから授業行ったんスか??」
「…………」


無言でその場に居座るレオナ。
…否定しないということは、そうなのだろう。
彼はこの学園の紅一点、監督生であるのことを酷く気に入っているのだ。

如何なる時も彼女を見つめ、彼女のことを考え、上の空。
そんな浮かれた状況の主に、ラギーが気付かないはずがなかった。


「残念でしたねえ、ちゃん、あの時間は飛行術の授業に出てたっスよ」
「別にあいつがいるから行ったわけじゃねぇ、勘違いするな」



___異世界から来た監督生____
異端な彼女に注目し、虎視眈々と狙っているのは、残念なことにレオナだけではなかった。



彼が率いるサバナクロー寮にも、彼女を自分のものにしたいと自分磨きに精を出す輩が多かったし、他寮では監督生が誰と付き合うかで賭けをするものまで現れるくらいだ。


「素直になっちゃえば楽なのになあ、シシシシッ…」




「…なぁラギー」
「ん、どうしたんスか?」
「………お前も、本当だと思うか」



いつもより深刻そうな顔のレオナに、少しだけ戸惑うラギー。


「え、と…何が?」
「の噂のことだ」
「あ~ハイハイ…アレっすか…」



最近学園内で広まりつつあるひとつの噂…




それは、とあのマレウス・ドラコニアが夜な夜な会っているという噂。



マレウス・ドラコニア…シルバーもセベクも付き添わず、彼女と2人きりで夜のオンボロ寮で何をしているというのか。
……嫌な予感が脳裏に浮かぶ。



「あの野郎、俺の獲物に手を出すとはいい度胸じゃねぇか…ガルルル…」
「レオナさん、まだ2人が恋仲だって決まったわけじゃないんスから…落ち着いてくださいよ」



ラギーになだめられ、立てた牙をしまうレオナ。
百獣の王に相応しい彼が1人の女にここまで執着する様子はなんとも滑稽なものだと、ずる賢いハイエナは心の中で笑っていた。

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