第2章 争奪ヒロイン!【リドル】
「~!!次の授業一緒に行こうぜ~!!」
「うわあっ!?ちょっとエース!急に飛びつくのやめてって言ってるでしょ!」
「すまない監督生、俺も止めたんだが…」
デュースやエースと同じ授業になる時は、毎回こうなる。
全くいくら女っぽさがなくても、もう少し私がか弱い女の子だということを理解して接して欲しいよね。
「そのうちが壊れちまいそうなんだゾ…」
「は屈強な女だから、こんなんじゃ壊れねぇよ!」
「は!?私だって儚~い女の子なんですけどー!!」
「stay!!仔犬たち、早く席に着きなさい!」
あーあ。エース達のせいで私まで怒られちゃったじゃん。
…つーか今日もクルーウェル先生めっちゃかっこいいなあ…
そんなくだらないことを考えながら、目の前にある大きな壺の中に薬品を入れる。
…なんだか周りの人たちとは全く違う色の液体になってるけど大丈夫そ?
それもそのはず、私は錬金術の授業が最強に苦手なのだ。
かっこいいクルーウェル先生にはいつだって怒られるし、居残りして追試を受けても上手くいったことがない。
逆にここまで来ればもう才能なのではないだろうか……?
「…なんかこの液体変な匂いがするんだゾ…本当に大丈夫なのか??」
「私もめっちゃ不安だよグリム…」
「変な爆発起こす前に先生を呼んできた方がよさそうなんだゾ!!」
今にも溢れかえりそうな赤黒い液体…
こりゃ絶対また怒られるなあ。
「bad girl…!!一体どういう調合をしたらこうなるんだ!?」
「私にも分かりませんっ!!」
さすがにこの出来ではクルーウェル先生にも手に負えないと判断されたのか、レシピを書いてある紙を渡された。
「…明日の補習に使う材料を集めてこい。お前にはもううんざりだ」
「申し訳ございません…クルーウェル先生…」
丁寧な字で書かれたメモを見つめる。
「これくらいなら購買と植物園に行けば集まりそうだね」
「珍しく簡単な材料集めなんだゾ!!」
放課後、グリムが勝手にどっか行っちゃわないように見張っておこう。
「アッハハハハハハハ!!っ、これどうやったらこんな液体出来るんだよ…!!」
「エースううう!!!」