第3章 紅
SHO
ここ数日、あいつ疲れてるけど大丈夫か、と案じていたのは、杞憂だったみたいだ。
おとなしく眠ろうと思っていたけれど、抱き寄せられた広い胸に、そっと頬をすりよせたら……くるりとシーツに組み敷かれ、そのまま本番になだれ込んだ。
仕事の関係で、なかなか寝るタイミングがあわなかったから、久しぶり……とはいっても一週間程度だが……繋ぐ体は、自然と潤の形にかわり、その熱いもので穿たれるたびに、ぐいぐいとあいつを締め上げた。
熱い吐息が混じり、体液が混じり……
……やがて、2人で同時に果て。
弾む息を整えながら、俺の胸に顔をよせる潤の背中に腕をまわす。
「はぁ……気持ちよかった……」
呟く潤の言葉に、くっと笑う。
「……そりゃよかった」
「翔くんは……?」
「……よかったよ」
「本当?」
「嘘ついてどーすんだ……」
気だるくて、それでいて甘ったるい会話。
体を繋げてるせいか、お互いいつもより素直だ。
俺は、違う意味をこめて潤に問う。
「……おまえは?」
「うん?」
「……もう大丈夫か?」
「なに?心配してくれてるの……?」
世間を騒がせたライブの演出の記憶は、まだ新しくて。
ふとした拍子にSNSの話題にものぼる。
「大丈夫。俺には翔くんがいるから」
ぎゅっと抱き締めれられてキスが落ちてきた。
その熱い唇をうけとめて、ああもう大丈夫だな、と思った。
潤の髪の毛の香りに包まれて、瞼をとじる。
舌を絡めあい、再びシーツに縫い付けられ。
「愛してる……」
潤のささやきに、身を委ねながら、俺は再び体を開いた。
fin.