第3章 紅
Jun
ギシギシとベッドが鳴る。
控えめに喘ぐ彼の声が、俺の熱をあげてゆく。
かすれ気味のこの低音は艶やかで……たまらない。
「……あ……はぁ」
「翔くん……ん……」
「んん……んっ…」
キスをしながら角度をかえて突き上げると、翔くんの体が小さく跳ねた。
汗だくの顔が歪んだのをみて、思わず額を寄せてたずねる。
「痛かった……?」
「………………いや……」
「じゃあ……感じた?」
「……ノーコメントだ……」
どうみたって、俺に組み敷かれて啼かされてる立場なのに、強気な発言は健在。
「これだよ?」
「あっ……こら」
ぐんっともう一度力をこめてその場所に刺激を与えると、ぐっとそこが締まった。
「翔くん……」
「あっ……やめろ……」
「やめないよ……」
「……潤っ……」
「感じて?」
「おま……っ……」
抱えてる翔くんの足が、小刻みに震えだす。
俺は、限界を訴え始めた彼とともに高みにかけ上がるべく、腰を送りながら、翔くんの昂りを握り締めた。