第11章 愛 2
Sho
近頃のあいつの仕事量は、休止した直後の一年前……あののんびりした空白の時期と雲泥の差だ。
演出、ドラマ、映画の番宣。
付け加えて、後輩の相談にのってやったり、と、24時間じゃ足りないくらいに、働いてる。
グループ活動をしていた頃ほどではないにしろ、その姿は、ときに、心配になる。
ワーカホリックといわれる俺だが、こいつもそんな変わらないんじゃね?と思う。
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報道番組を終え、深夜に帰宅すると、彼の人は、ソファーに背をあずけうたた寝をしていた。
膝の上には、主演ドラマの台本。
そりゃそうだよなぁ……
彼があまり寝てないのを知ってる俺は、なるべく眠れるときには寝てほしくて。
起こさないように静かにコートを脱いで、部屋着に着替えた。
ブランケットをもってきて、そっと膝にかけてやったが……起きない。
よほど、疲れてるのだろう。
……腹へったな
俺はその場を離れながら、腹をさすった。
番組の前に少し食べてるが、さすがにこの時間まで起きていると小腹が減る。
冷蔵庫を物色しようとキッチンに入ると、小鍋にスープがあるのを見つけた。
「……お」
海鮮の香りのするそれは、俺の大好きなクラムチャウダー。
きっと、深夜に帰ってくる俺のために作ってくれたのだろう。