第7章 夢
Satoshi
何度も熱をわけあい、何度も共に絶頂をむかえた。
艶のある声で喘ぐ彼は、どうしようもなく美しくて、自分でも加減ができないほど求め……求められた。
しかし受け入れる彼の方は、どうしたって身体への負担は大きい。
何度目かの吐精後、彼は意識をおとした。
弾む息を整えながら、汗に濡れる前髪にそっと触れる。
俺の好きな、つやつやのおでこ。
俺は、そこに軽くキスをする。
「……翔くん……」
翔くんの濡れてる目元にもキスをした。
………勝手な俺でごめん。
俺を想ってくれる気持ち……全部知ってて、いなくなった俺を、君は今も受け入れてくれるんだね。
……俺は、こんな愛しかたしか、できないのに。
そっと、ベッドをおりて、手早く身支度を整える。
そのまっすぐな瞳をみてしまったら……俺は、きっと離れられなくなる。
君は優しいひとだから、何よりも俺を優先するだろう。
俺を甘やかして、俺を一番に考える生活になるだろう。
でもそれじゃダメなんだよね。
君は君の道。
俺は俺の道。
新しい世界を見て、自分の世界を見直して。
納得がいくまで、生きて生きて……そして、また、その先で君と交わるために。
その日のために、俺は生きるよ。
だから君も。
「見てるからね……ずっと」
翔くんの頬にキスをして、俺は、部屋を出た。
彼の睫毛が震えていたことには、気づかなかった。
fin.