第4章 永遠
「ありがと……なんだろ?」
ガサガサと包みからだして広げてみる。
「わぁ……」
それは濃紺のニット帽と、空色のニット帽。
アウトドアメーカーのもので、片方はモコモコの耳あてもついてるキャップ型。
とてもとてもお洒落なものだ。
「キャンプでも釣りでも使えるでしょう?冬は寒いから……使って?」
「ありがとう。嬉しい……」
早速キャップをかぶってみる。
暖かくて、とても俺に似合ってる気がする。
鏡を探してキョロキョロしてたら、翔ちゃんが俺の左手をつかんだ。
「?」と、思った瞬間、左手に何かがはめられた。
「……?」
なに?と思って目をおとす。
すると、クロスの模様がついた、細いバングルが俺の左手にはめられているのをみつけた。
「え?……これ……」
翔ちゃんのものだ。
一時期、彼がよくはめていたのを知ってる。
とても高いブランドのものだったのもあり、俺は特に欲しいとは思わなかったけど、翔ちゃんは違ったみたいで、いくつか持っていたはずだ。
きっとそのなかのひとつだ。
「あのね、兄さんにしばらくこれを持っててほしい」
翔ちゃんが真剣な目で俺をみる。