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私の世界

第4章 変わった世界




「もー、ローは本当にいちいち細かいというかうるさいというか…」
「お前も同じようなもんだろ」
「変色したジャガイモ食べようとするなんて誰でも止めるでしょ!医者のくせになんでそんな危険物食べようと思ったのか…」
「………治せるから良いんだよ」


まるで小学生のように負けたくなくて無様な言い訳を晒すローに、朱里は鼻で笑って部屋を出ようとする。それを慌ててローが追い掛けると朱里は嬉しそうに笑う。
ローは、こうして改めて朱里を見ると、逆行性健忘症になっている間の朱里はまだ子供らしく天真爛漫であったと思う。今の朱里はと言うとローの事を分かっているからこそ自由気ままにしていて、ローが自分を理解しているのも分かっているからこその自由さがあった。記憶のない朱里は理解されているとかは関係無く、自分は自分だと生きていた。


「そういや…お前が独りが嫌なのは、日記に書いてある事が原因だったのか?」
「まぁねー。別に理由は言わなくても良いかなって…ロー達は分かってくれてたし。それにわざわざ前世がどうのとか伝えなくても私はもうローの傍で生きるって決めたから…ただ、記録さえ残していればもうそれで良くなった。それに、今回の事でちゃんと分かったから…私の前世はちゃんとあったんだってね」


朱里が前世の記憶を思い出したあの時、朱里にとっては全てを失った気分だった。前世の人達との未来は無くなり、ここでの親さえ失った。友人と呼べる人はいてもいきなり親の保護を無くして1人で生きていかなかればいけない上に、前世の記憶を思い出した朱里には遠く離れた存在のように感じて疎遠になっていた。親達は少しでも治安の良い場所にと越してきた際に不慮の事故で亡くなってしまったから頼れる大人も周りにはいなかった。幸い雇ってくれる場所が沢山あったのが救いだった。


「私の1番の救いはローに出会えた事だと思う…こんな世界で生まれて、それでもまた女のくせにって言われてムカつく事が多かったのに…ローは、女のくせになんて言わないのに、ちゃんと女の子として見てくれたから」


女らしくなんて諦めていたのに、女のくせにと言われて腹が立っていたのに。対等に見てくれて愛してくれた事への感謝は大きかった。
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